小石川えん罪事件 読み込まれました
小石川えん罪事件

東京・小石川で発生したえん罪事件!!

小石川えん罪事件をご存知ですか?

ホームkeyboard_arrow_right事件詳細
check_box

小石川えん罪事件とは?

2002年7月31日に、東京都文京区の小石川で発生した強盗殺人事件です。事件現場は木造2階建てのアパートです。
翌8月1日の朝、このアパートの一室に住んでいた一人暮らしの女性(84歳)が、自室で、タオルを口の中に押し込まれて死亡しているのが発見されました。
犯人とされた伊原康介さん(当時21歳)は、このアパートの別の部屋で暮らしていて、この事件の容疑者として疑われ、警察から事情聴取を受けていました。そんな中、伊原さんは事件から1ヶ月後に同じアパートに住むMさん(強盗殺人事件の被害者とは別の人)の部屋で、現金を盗み、翌日逮捕されました。

Mさん方への窃盗で逮捕された伊原さんは、この犯行については罪を認め窃盗罪で起訴されました。ところが、起訴後の身体拘束の間に、警察は、伊原さんを強盗殺人事件について長時間、執拗に取り調べたのです。伊原さんは当初、自分はやっていないと否認していましたが、その年の12月19日に、犯行を認めるウソの自白をしてしまいました。
伊原さんは強盗殺人罪で起訴されましたが、公判では、一貫して無実を主張し続けました。しかし、裁判所は、取調室という密室でなされたウソの自白を信用できるものと判断して、伊原さんを犯人と認定し無期懲役刑を言い渡しました。その後、控訴審を経て、2005年6月に上告棄却決定がなされ、有罪判決が確定しました。

check_box

ウソの自白で起訴→有罪に

check_box

誤った裁判のやり直しを求めて

伊原さんは千葉刑務所に服役中ですが、「私は無実だ」と訴え続けています。

みなさまのご支援をお願いいたします。

なぜウソの自白をしてしまったのか

伊原さんは、別件の窃盗事件で起訴され、その身体拘束中に小石川事件について長時間、繰り返し繰り返し取り調べを受けました。しかもその取り調べでは、自白するまでトイレに行かせない、また、捜査官が頭を平手ではたくといった不当な行為が行われ、捜査官は伊原さんに虚偽の事実(伊原さんの飼っていたウサギの毛が被害者から発見されたという)を告げて、伊原さんを追い詰めました。
このように自白を強要された伊原さんは、精神的に追い詰められて、疲れ果ててしまい、何を言ってもムダとの思いで、ついにウソの自白をしてしまったのです。

密室で作られたウソの自白

警察が伊原さんに強要した「自白」は以下の通りです。
お金を盗もうと思って被害者の部屋を覗いてみると、被害者が億の台所の方を向いて洗い物かなにかしていて、こちらを振り向く気配がなかったので、その隙にお金を盗めると思って部屋に侵入し、整理タンスの上の小物入れの開き戸に手をかけました。するとそのとき、被害者が振り返って私の顔を見てびっくりしたような顔をしたので、私は、「まずい、見られた。声を出されちゃまずい」と思い、とっさにテーブル近くの床に置かれていたタオルを手に取り、被害者の背後からタオルを被害者の口に押し当ててうしろに引き倒しました。

倒れた被害者の口に当てたタオルを両手で力一杯押さえると、身体をゆすって抵抗されたので、私は自分の左ひじを被害者の右胸辺りに当て、自分の身体の左側を被害者の左わき腹辺りに強く当てるような体勢で強く押さえつけました。被害者の口からタオルを放せば、大声を出せれて自分のやったことが発覚してしまうと考えて、声を出されないように、タオルを力一杯その口の中に押し込んでいきました。しばらくすると被害者はぐったりして動かなくなったので、被害者が死んだと分かりました。それから私は小物入れの開き戸を開けたり、タンスの小引出しの中を物色したりして、小引出しの中にあったお札の入った紫色のがま口を盗んで部屋の外に出ました・・・これが取調室という密室で作られた、ウソの「自白」です。

間違いだらけだった裁判所の判断

ウソの自白を信用できるものとして、伊原さんを強盗殺人の犯人であるとした裁判所の判断には、誤りが多くあります。

1.真犯人のDNA型が検出

被害者の口の中に押し込まれていたタオルからは、伊原さんのDNA型は検出されていません。しかも、このタオルからは、被害者や伊原さんとも異なる型のDNA型が検出されています。犯人はタオルを被害者の口に無理に押し込んだのですから、このDNA型は真犯人のものとしか考えられません。

2.トランジスタラジオから指紋が検出されていない

裁判所は、被害者の部屋の小物入れ内の化粧水の瓶から伊原さんの指紋が検出されたことを有罪認定の根拠としていますが、この指紋は伊原さんが本件以前に被害者の部屋に窃盗に入った際に付いたものです。もし伊原さんが強盗殺人の犯人で、瓶の指紋が犯行時に付いたものだとすれば、素手で犯行に及んだことになります。しかし、瓶が入っていた小物入れの前には、当時ラジオが置かれていました。ラジオが置かれたまま小物入れを開けることはできないので、犯人は必ずラジオに触っているはずです。

しかし、瓶が入っていた小物入れの前には、当時ラジオが置かれていました。ラジオが置かれたまま小物入れを開けることはできないので、犯人は必ずラジオに触っているはずです。しかし、ラジオから伊原さんの指紋は検出されていません。その他、犯行の際に物色したとされる整理タンスの小引出しや引出し内の物からも伊原さんの指紋は検出されていないのです。

3.伊原さんの衣服の繊維は検出されていない

被害者の着ていた衣服や体から、伊原さんが当時着ていた衣服の繊維が検出されていません。
裁判所の認定では、伊原さんは被害者を背後から引き倒し、倒れても抵抗する被害者を自分の体を使って押さえつけたというのですが、そうであれば被害者の手指や衣服に伊原さんが着ていた衣服の繊維が付着している可能性が高く、これが検出されないのは極めて不自然です、
検察官は、伊原さんの着衣と類似した繊維が検出されたと主張していましたが、その繊維の写真を比べてみると、両者がまったく別物であり、類似すらしていません。

4.つじつまの合わないことだらけ

その他にも、自白をもとに弁護団が犯行再現実験を行ったところ、部屋にある藤椅子が邪魔になり、自白どおりの行動をとることができませんし、亡くなった被害者の体の上に青色ズボンがかけられていた事実については自白ではまったく説明がつきません。そもそも、四畳半の狭い部屋の中に住人がいる中で、しかも住人と自分が顔見知りであるというのに、部屋の中を物色していても気づかれずに逃げられるのだろうと考えて盗みに入る人などいるのでしょうか。
伊原さんの自白はつじつまの合わないことだらけです。

誤った有罪判決のやり直しを!

裁判所が偏重した自白は、そもそも別件の窃盗事件での身体拘束中に、黙秘権の告知もせずに長時間繰り返し行われた不当な取り調べの結果なされたものです。伊原さんの自白は、このような取り調べ状況のもとになされたウソの自白であり、信用できません。これを信用できるものとして伊原さんを犯人と認定した判決は間違いであり、取り消さなければならないのです。
伊原さんは、2015年6月24日に東京地方裁判所に再審請求を行いました。

弁護団が、真実を明らかにするために、検察官に対して証拠開示を求めるとともに、裁判所に対しても、検察官に証拠開示を勧告するよう強く求めてきた結果、2018年3月になってようやく一部の証拠が開示されました。今後、弁護団としては、開示された証拠を開示するよう強く求めていきたいと考えています。さらなる証拠開示の実現、そして公正な最新判断のためには、支援者のみなさんの声が大きな力となります。どうかみなさんのご協力をお願いいたします。

みなさんのご支援を!

小石川えん罪事件の再審を支援する会は、 弁護団とともに再審を求める運動をしています。 2018年4月26日には、ジャーナリストの江川 紹子さんを講師に「小石川えん罪事件の真相を聞く会」を開き、 都内近県から80名が参加しました。 弁護団からも事件の説明を受けて、参加者はえん罪を確信し、支援を強めようと誓い合いました。 裁判所への慎重な審理と証拠開示を求める署名活動を行っており、毎月、千葉刑務所へ伊原さんとの面会にも行っています。

お願い

●裁判所への 「証拠開示、公正審理、再審」を求める署名にご協力ください
●支援する会に入会してください
●伊原康介さんに激励の手紙を書いてください 〒264-8585 千葉市若葉区貝塚町192

小石川えん罪事件の再審を支援する会

〒113-0034 東京都文京区湯島2-4-4

平和と労働センター5階 日本国民救援会東京都本部内

Tel. 03-5842-6464

©️小石川えん罪事件の再審を支援する会